尿管結石と色々戦った話

尿管結石と色々戦った話

 

突然の腹痛に耐え抜いた。

 

だが、これで本当に良かったのかを、自問自答した一日。 

 

先日突然だが、腹痛になった。

しかも腹痛になったのは、後からだがその時はよくわからなかった。

その腹痛は、腹の調子が悪くなったわけではない。

冷たいものを食べたわけでもないし、食あたりのようなものでもない。

膨満感の変則的な状態で、腹が張るような感じなのである。

https://youtu.be/hVgBjq_2SNM

この痛みは・・・たしか・・・・・。

 

なんとない普通の日。

椅子に座ることの多い仕事なので、今日も一日座り通しであった。

 

最初は少し引っかかったような感じであり、特に気にもしなかった。

少しだけ下半身辺りが重たいなあと言う、違和感だけでしかないのだ。

そしてふと立ち上がると、腰骨の辺りが妙に重たく感じた。

腹周りが大きくなっている様な感じである。

実際は何の変化もないのだが、直感的におかしいと感じた。

少々おかしいなと思い、上半身を左に90度、右へ90度と

ツイストの様な事をして、その原因を自分の体に問うてみたのだ。

違和感はあるのだが、場所が特定できないのだ。

鈍痛で腰骨のあたりが張り、下半身が重いのである。

 

少しだけ痺れたような感じなのであった。

 

妙な胸騒ぎを抱えつつ、冷蔵庫へ飲み物はないかと開けてみる。

少し前かがみになると、それが明らかに鈍痛になっていることに気づいた。

 

ここで一瞬、どうしていいか判断に迷った。

 

仕事が少し煮詰まっており、遅れ始めていたのである。

その遅れを取り戻すために、最近は少々無理をしていた。

ここで病院へと行く大ごととなると、遅れるというレベルではなくなる。

この状況で、自分と仕事の天秤がダメな方向に振れた。

どうしていいのか本当に悩んだ

しかし時間が経つにつれ、右足がつったような感じになった。

 

はるか遠い昔の日、緊急入院になった事を思い出した。

 

ただ今回も、そうも言ってられないという気持ちがあった。

何とか緊急で担ぎ込まれるのは阻止したかった。

 

だが、その場で立っているのも徐々に辛くなってきた。

一人でいるのはマズイと思い、家族の元へと向かう。

助けを求めないと、動くどころか声を出すのも無理になる。

それを知っていても、まだ知らせず家族の元へと向かう。

 

そしてあまりの苦しさに、家族の前で四つん這いになった。

 

どの様な体感かを、書き記そう。

例えるのであれば、脇腹に風船を入れられて、その風船が徐々に膨らむ感じである。

その風船が膨らもうとするのだが、体自身がそこでは膨らみませんよと

非常に激痛をもたらして、警告しているようなそんな感じだ。

いつの間にか、鈍痛は激痛へと変化し始めていた。

 

しかし冷静にも、私はここでも迷っていた。

 

病院行くべきか、緊急ではあるのだが・・・。

 

前の時は救急車を親に手配して貰った。

そうなのである。

私には過去に同じ経験があるのである。

 

緊急入院をしたのだ。

 

その時は未成年であり、痛みに耐えれず戻しながら

ストレッチャーにのせられて、想像より異常に早く病院についた。

 

この時 走馬灯の様に、私の頭にその経験が思い出されていた。

 

しかし、まだここで葛藤していた。

経験のある痛みの中で、冷静さを保っていたのだ。

「 このまま入院すると、三日は最低帰れない 」

昔のように抜け出したりすると、年齢的にも大ごとになるのは見えている。

下手をすると、お医者さんに子どもの様に叱られるかもしれない。

避けれる状況は避けたいのが、賢い人生の選択だろう。

 

しかし、この痛みに耐えるのが賢いのか!?

 

医者が言っていた事を思い出した。

 

コーヒーを飲みすぎるのはやめましょう。

牛乳は避けた方がいいですよ。

不規則な食事や脂っこいものは避けましょう。

飲み物は水かお茶を飲みましょう。

 

「 人生とは何なのだ? 」と、疑問に思うくらいに

その時に並べられた言葉は、楽しみがない言葉ばかりであった。

しかしその時にお医者さんは、当然の事しか言わなかったのだ。

 

それからウン十年。

 

そんなことは十分に承知しているとタカをくくっていた。

というか、四つん這いになるまで言われたことを忘れていた。

不調になった時に、改めて守っていればよかったと思う。

さて、守っていたら今、四つん這いになっていなかったのか?

 

そんな事を考えて、半時間は過ぎていたと思う。

 

どんどん痛くなり、悲鳴をあげる体に向き合い冷静に考える。

この時は、顔を伏せた状態の四つん這いである。

そこで前回入院した時に、お医者さんの対処法が頭の中に浮かんだ。

まるで一休さんのアニメのとんちが利いた音が鳴った。

 

なぜ、脇腹が痛くなるのかと言うのを説明しよう。

 

腎臓から生成された尿は、尿管を通り膀胱へとたまるのである。

これが一定量を上回ると、トイレに行きたくなるのである。

しかし、腎臓で生成されるのは尿だけではないのだ。

その塊は 「 結石 」と呼ばれる本当に石のような塊なのだ。

 

この腎臓から出た「 結石 」という、正に石のような塊が

尿管を通り、膀胱に行くまでにどこかで詰まってしまうのである。

 

この尿管に詰まるので「 尿管結石 」と呼ばれる。

 

しかしこの病気は厄介で、この石がなくなると全く何も感じない。

つまり非常に健康的な状態へと、全快する。

つまり取り除けば、この痛みは一切消える。

それが詰まるために痛むのである。

 

回復する方法は二つ

 

この結石を腎臓へと戻すか、膀胱へと押し流してしまう。

痛みを抑えて、とっとと病院へ行き粉砕する。

 

問題は根本的に解決しないと、時が来れば再度起こる。

 

私はおもむろに、そのまま立ち上がった。

地味にお腹が張る状態で、突然ジャンプし始めたのだ。

ジャンプと言っても、かかとを少し上げるだけで精一杯だ。

しかし体に重力という、衝撃を与える努力をし始めた。

目の前で痛がって、四つん這いになり悶えていた男が

苦悶の表情のまま、突然ジャンプする姿をぜひとも想像して欲しい。

 

家族は何が起こっているのかと、ドン引きしていた。

 

結石を下へと、流してしまおうと考えたのである。

 

入院していた時に、冗談の様に医者に言われたことがある。

 

「 体の調子が良い時に、縄跳びでもしておいてね。 」

吹き出しそうな私に、医者は一言 「 いや、ホントに 」

 

つまりジャンプをして、重力と衝撃で落とすという単純な話である。

人間の体はそれ程に単純なのか?と思うと同時に、詰まっている結石の大きさは

3ミリあるかないかで、これ程の激痛で人間とはまぁ繊細なんだなぁと思った。

 

嘘のような話だが、これは本当に言われたのだ。

 

ジャンプをし始めると、正直右の脇腹は爆発しそうになった。

胃を圧迫されている様な感じで、右の脇腹を抑えてもだえる。

もうなんだか、無理をしたマラソン大会の途中の様な状態である。

 

顔をしかめつつも、ジャンプという名のかかとを少しだけ上げる競技は

この後、延々とも思える時間を約10分近く続けたと思うのだ。

 

徐々に目を開けても大丈夫なレベルとなる

 

ここで追撃の手は緩めてはダメだと思いさらに飛び上がる。

意味不明に飛び続けるオッサンを、呆然と見続ける家族。

先ほどまでの痛みは、まるで嘘のように引き

慌てふためいて救急車を呼ばなくて良かったと本当に安堵した。

 

そこから15分間ぐらい、ずっとジャンプをしていた。

ジャンプをしながら、家族に今の状況を説明する。

冗談にしか見えない行動に、納得せず頷いていた。

 

この行動は正直、賭けでしかなかった。

 

入院は絶対に避けたい。

しかし痛みを取らない事には、動く事すら出来ない。

背に腹はかえられない。

しかも腎臓にも膀胱にも代えられないので

絶対に解決するという決死の覚悟の行動だった。

そして何より、入院をする時間が惜しかったのである。

 

前回、入院した時に思ったのは、時間が無駄の一言であった。

 

この入院した時に、体を固定し見定めて超音波で結石を砕くのである。

当然ながら、結石だけを砕く事はなく、他にも傷が起こる。

その理由もあり、超音波の後は外出は丸1日許されなかった。

その医療行為によって、大量出血するかもしれないからである。

実際にこの後の排尿時には、粉砕された結石と共に血尿もでる。

 

余談だが、結石が出たと報告するのが必要なのだ。

方法は一つ。

トイレに入ると忘れずに網を持たなければならない。

ケーキを作る時などに、一定に粉をまぶす為のあの網である。

 

それを通して排尿し、でた結石の欠片を報告する。

まだ恥ずかしいという、気持ちを持ち得ていた若き頃に

自分の排泄物を漉して、その欠片をみせろとは

本当に何のプレイなんだと、非常に嫌な思い出だけがある。

 

入院への話を戻そう。

 

これを読んでいる医療関係の方や、結石入院経験者ならご存知かと思う。

 

ベッドの上で、日がな一日を過ごすには暇を持て余してしまうのだ。

 

見た目も体も、健康であるので辛いのだ。

いや、実際に結石がなくなると、本当に何もなく健康なのだ。

 

しかし病院の立場からすると、大出血などの緊急の事態や

何かのあった時の為に絶対に出せないので、これは本当に困った。

 

ただ、この話は大昔の医療行為なので

今はもっと気軽に、そして良くなってるのかもしれない。

 

いや、そうであってほしい。

 

最後に・・・

救急搬送された時に、あれほど痛く悶え苦しみ暴れていたが

麻酔をされてしばらくの時間の後、超音波で結石を砕かれて

その後に麻酔が切れ、嘘のように痛みが引いていた時の気分は

「 なんと健康とは素晴らしいだろう 」と

全ての物に感謝し、思ったのは本当に今でも忘れられない。

 

まぁ、今回は何ともなかったが、次はどうかわからない。

 

これは非常にダメな男の例なので、皆さまは絶対に真似をされませぬ様に。

皆様におかれましては、痛み出したら早急に医療機関へとお勧めします。

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